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子供と青年のナトリウム摂取量と血圧:実験研究と観察研究の総合レビューとメタアナリシス

Sodium Intake and Blood Pressure in Children and Adolescents: A Systematic Review

 and Meta-Analysis of Experimental and Observational Studies

By Magali Leyvraz, Angeline Chatelan, Bruno R da Costa, Patric Taffé, Gilles Paradis,

Pascal Bovet, Murielle Bochud, Arnaud Chiolero

Int. J. Epidemiol. 2018;47:673-674   2018.06.27

 

要約

背景

 高ナトリウム摂取量は成人で血圧上昇の原因である。子供と青年では利用できる証拠が少なく、結果は曖昧である。我々は子供と青年のナトリウム摂取量と血圧との関係に関する実験研究と観察研究からのエビデンスを総合的にレビューした。

方法

 Medline, Embase, CINAHLおよ20173月までのCENTRALデータベースの総合的な検索が行われ、書籍および未発表の研究の手動検索によって補足された。0歳から18歳までの子供や青年を含む実験研究と観察研究を含めた。変量効果メタアナリシスは全ての研究にわたってデータをプールし、実験研究と観察研究に分けてナトリウム摂取量と高品質の血圧測定法を用いた研究に限定することによって実行された。サブグループのメタアナリシス、感度分析、およびメタ回帰を実施して不均一性と交絡の原因を調査した。投与量応答関係も調査された。

結果

 識別された6,572件の出版物の中で、58,531人の参加者を含む85研究(実験研究14件と60件の横断研究、6件のコホート研究、5件のケース・コントロール研究を含む71件の観察研究)が含まれた。実験研究では、減塩介入は収縮期血圧を0.6 mmHg、拡張期血圧を1.2 mmHg低下させた。高品質のナトリウム摂取量と血圧測定法による18件の実験研究と観察研究(参加者3,406人を含む)では、ナトリウム1 g/d追加毎に収縮期血圧は0.8 mmHg、拡張期血圧は0.7 mmHg増加した。その関係は肥満で低カリウム摂取量の子供達でより強かった。ナトリウム摂取量と血圧との間に準線形の関係が見られた。

結論

 ナトリウム摂取量は子供と青年の血圧とポジティブに関係しており、実験研究と観察研究で一貫した結果であった。血圧は生涯にわたって進んでいくので、我々の結果は血圧を下げるために子供や青年の間にナトリウム摂取量を減らすことを支持し、高血圧発症を予防する。

 

キーメッセージ

  子供と青年でナトリウム摂取量と血圧との関係に関するエビデンスは限られており、曖昧である。我々の知る限り、これは実験研究と観察研究の両方を含む子供のナトリウム摂取量と血圧との関係を評価する最初の系統的レビューとメタアナリシスである。

  識別された85研究の中で、14件は実験研究で71件は観察研究であった。18件だけが高品質のナトリウム摂取量と血圧測定法であった。

  我々の結果は、1 g/dのナトリウム摂取量増加毎に、収縮期血圧と拡張期血圧で約1 mmHg上昇することを示している。

  これは、生涯で高血圧発症とその関連した結果を予防するために小児期からナトリウム摂取量を制限する必要があることを示唆している。

 

以下、本文は省略。