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好奇心旺盛な子供達:どうして海は塩辛いの?

Curious Kids: Why Is the Sea Salty?

By Sally Little

The Conversation   October 10, 2019

 

どうして海は塩辛いの?-トーベン、9歳、イギリスのサセックス

 

 地球表面の2/3は水で覆われており、その97%は塩辛い海水である。我々の地球の水の3%だけが淡水で、2%が固定されており、氷冠、氷河、土壌中で凍っている。川、湖、小川に新鮮な液体の水として残るのは1%以下である。-この淡水はどうして海が塩辛いかを説明する上で大きな役割を果たしている。

 水は太陽によって動力を供給されたサイクルで我々の地球の周りを移動している:海から空へ、陸地へそしてその後海に帰る。太陽が海の水を温めると、水は“水蒸気”と呼ばれる気体に変わり、“蒸発”と呼ばれる工程を通して大気中に上昇する。

 大気中に浮遊している間に水蒸気は冷やされて液体の水に帰り、(“凝縮”と呼ばれる工程を通して) 雲を形成する。この水は結局、雨、みぞれ、雹または雪として空の雲から落ちてくる(“降水”と呼ばれる)。降水が陸上で起こると、水は小川や川に流れ、結局、海に戻る。その後、太陽が海水を温め、サイクルが再び始まる。

 

(わずかに)酸性雨

 多分、塩はどこから来るのだろうとまだ不思議に思っているだろう。さて、空から落ちてくる雨は純粋な水ではない-雨は二酸化炭素や二酸化硫黄と呼ばれる少量の化学物質を含んでおり、水がまだ大気中にある間にそれらは水に吸収される。このことは、雨が実際には非常にわずかに酸性 (しかし、有害であるほどではない) となることを意味している。雨が地上に降ると、この弱い酸はナトリウムや塩化物を含む岩石から少量のミネラル塩類を溶かし、その後それらは海に入る。

 塩化ナトリウムが海水中の主な塩で、家庭の食卓上にある物と同じである。雨水は陸地を流れ、小川や川になり、全て海に繋がり、雨水と一緒に溶かされた塩類を運ぶ。

 

流れの塩分濃度は?

 しかし、川や小川がこれらの溶けた塩類を運ぶとすれば、それではどうして川や小川が海のように塩辛くないのか?事実、これらの塩類を非常に低い濃度で運んでいるだけである。海水中の塩類は何十億年をかけて貯められた物で、海水は平均的な河川水よりも約300倍以上の塩類を含んでいる。

 別の言い方をすれば、1リットルの海水は溶存している35 gの塩類を含んでおり、一方、1リットルの淡水はわずかに0.5 gを含んでいる。この理由で我々は、川や小川を流れる淡水よりも海水がずっと高い塩濃度-または“塩分濃度”を持っていると言う。

 幾つかの塩類は深い海底のホットベントや陸上と海中の火山からも海に入る。幾つかの塩類(特に塩化物)も水サイクルの一部として動き回る。これらは“灌流塩”として知られており、元来、火山から来た物である。

 

収支を傾ける

 塩は常に陸地から海に流れるので、海は次第に塩辛くなると思うかもしれない。しかし、この塩の一部は海水中に住む藻類や動物によって除かれ、一部は海底に堆積物として析出する。したがって、海に入る塩は析出または除去される塩とバランスを維持している。

 海の塩分濃度は何処でも同じではない。温帯、熱帯地域、蒸発が激しい所では、水は一層辛くなる。北極と南極に向けて、海水は氷を溶かすことによって薄められ、水はそんなに辛くない。これは自然である。しかし、塩分濃度のこれらの差は気候変動のために将来大きくなるかもしれない。暖かい気候はより多くの雨を降らせ北半球で氷を溶かし、南半球では蒸発量がより多くなり、そのことで海の塩辛さが変わりうる。

 水が塩辛くなるほど、水の密度は大きく(重く)なる。温度が高くなるにつれて、水が海洋の周りを動き方に影響を及ぼし、そのことは地球上の全ての生命に影響を及ぼす-海水中に住んでいる生命だけではない。