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食卓塩には驚くべき数のマイクロプラスチックが含まれている

Table Salt Contains a Shocking Number of Microplastics

By Andrei Ionescu

https://www.earth.com/      2024.01.16

 

 インドネシアのアンダラス大学が主導した最近の研究では、食塩中のマイクロプラスチックの存在について懸念が生じており、ボトル入り飲料水についても同様の結果が得られている。

 21件の食塩ブランドが参加したこの調査では、それぞれの食塩ブランドに破片、繊維、フィルム、ペレットなどのマイクロプラスチックが含まれていることが明らかになった。これらの分子は、ガン、心臓病、認知症、生殖能力の問題などの深刻な健康リスクと関連している。

 

塩汚染

 Global Journal of Environmental Science and Managementに掲載されたこの研究は、海水の抽出や製造プロセス中に塩の汚染が発生する可能性があることを指摘している。

 特にアメリカ、シンガポール、チェコ共和国にインドネシアは海塩の大部分を輸出しているので、この研究はこれらの国に関連している。

 

研究の実施方法

 研究の方法論には、各ブランドの塩50 gを調べることが含まれていた。塩と水を混合して有機不純物を除去し、加熱し、攪拌した。塩が溶解した後、残った物質を顕微鏡で検査した。

 

主な調査結果

 研究者達は、形状、サイズ、色から4種類のマイクロプラスチックを特定した。彼等は、破片が最も一般的な種類のマイクロプラスチックであり、次に繊維、フィルム、ペレットであることを発見した。粒子の中では黒色が優勢な色であった。

 さらに、研究チームはマイクロプラスチックに含まれる4種類のポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、およびポリエステルを特定した。ポリエチレンは合成樹脂に、ポリプロピレンは丈夫な耐熱プラスチックにポリエチレンテレフタレートは衣類の繊維や液体や食品の容器に、ポリエステルは人造繊維材料によく使用される。

 

増え続ける証拠収集

 注目すべきことに、この研究では、プライバシーを維持するためにテストされた塩のブランド名を明らかにしないことを選択した。この研究は、日用品にマイクロプラスチックが広範囲に存在することを浮き彫りにする、増え続ける証拠の一部である。

 2017年にアリカンテ大学が実施した同様の研究では、アメリカへの塩のもう一つ重要な輸出国であるスペインからの塩1 kg当たり最大280分子が検出された。

 

研究の影響

 これらの発見は、マイクロプラスチック汚染の蔓延と性質と、それが人間の健康に及ぼす潜在的な影響を強調している。

 マイクロプラスチックは食品、水、空気などさまざまな発生源に存在するため、その影響を理解し、環境や消費者製品へのマイクロプラスチックの存在を軽減する方法を見つけることがますます重要になっている。

 

さらなる塩類汚染源

 塩汚染はさまざまな原因から発生する可能性があり、多くの場合、塩がどこでどのように調達され、処理されるかによって異なる。以下に一般的な発生源をいくつかの示す:

  環境汚染:産業廃棄物や農業排水は、水銀、鉛、ヒ素、カドミウムなどの重金属で海水や地下の塩水を汚染する可能性がある。これらの汚染物質は、蒸発プロセス中に塩に侵入する可能性がある。

  天然汚染物質:フッ化物や臭化物のような特定の天然元素は、塩の堆積物によっては望ましい量よりも多量に存在する可能性がある。

  製造プロセス:塩の加工および精製中に、装置から、または不純物を含む可能性のある固結防止剤の添加中に汚染が発生する可能性がある。

  微生物汚染:海塩、特に未精製の塩は、海水からの微生物によって汚染されることがある。

  保管と輸送:塩が保管または輸送中に汚染物質と接触すると、塩も汚染される可能性がある。

  包装材料:特定の種類の包装では、特に高温または多湿の状態で保管される場合、化学物質が塩に浸出する可能性がある。