戻る

研究者達は実行可能なナトリウム電池を開発

Researchers Develop Viable Sodium Battery

ScienceDaily

Source: Washington State University   2020.06.01

 

ワシントン州立大学と太平洋北西部国立研究所の研究者達は、多くのエネルギーを保持し、幾つかの市販リチウム・イオン電池の化学的性質と同様に機能するナトリウム・イオン電池を創製し、豊富で安価な材料から潜在的に実行可能な電池技術を生み出す。

 

 チームはナトリウム・イオン電池についてこれまでで最高の結果の1つを報告している。一部のリチウム・イオン電池と同様の容量を提供し、正常に再充電でき1,000サイクル後の充電の80%以上を維持できる。ワシントン州立大学機械材料工学部のYuehe Lin教授と太平洋北西部国立研究所の上級研究科学者であるXiaolin Liが率いるこの研究はACS Energy Letters誌に発表されている。

 「これはナトリウム・イオン電池用の主な開発である。」と太平洋北西部国立研究所でこの研究をサポートしいていたエネルギー省電力局のエネルギー貯蔵局長のImre Gyuk博士は言った。「多くの用途でリチウム・イオン電池をナトリウム・イオン電池で置き換えるための可能性を巡って大きな関心がある。」

 リチウム・イオン電池は何処にでもあり、携帯電話、ラップトップ、および電気自動車など数多くの用途で使われている。それらは希少で高価なコバルトやリチウムなどの材料から作られ、そのほとんどはアメリカ以外にあった。電気自動車や電力貯蔵の需要が増えているので、これらの材料は入手し難く、より高価になっていく。リチウムをベースにした電池は電力網エネルギー貯蔵用の巨大な需要拡大に対応する上でも問題がある。

 他方、安価で豊富にあり、海洋や地殻から持続的に得られるナトリウムから作られるナトリウム・イオン電池は大規模エネルギー貯蔵用の良い候補となる。残念ながら、それらはリチウム電池ほど多くのエネルギーを保持できない。また、効果的なエネルギー貯蔵に必要な再充電にも問題がある。幾つかの最も有望な陽極材料の重要な問題は、不活性なナトリウム結晶の層が陽極表面に蓄積し、ナトリウム・イオンの流れを止め、その結果、蓄電池を停止させることである。

 「重要な課題は、蓄電池が高いエネルギー密度と優れたサイクル寿命の両方を備えていることである。」と論文の主筆でワシントン州立大学を卒業し現在ローレンス・バークレイ国立実験場にいるJunhua Songは言った。研究の一部として、研究チームは層状金属酸化物陽極と余分のナトリウム・イオンを含む液体電解質を作り、陽極とより上手く相互作用する塩辛い溶液を作った。彼等の陽極設計と電解質システムはナトリウム・イオンの連続的な移動を可能にし、不活性な表面結晶性生成を妨げ、妨げられない発電を可能にした。

 「我々の研究は、陽極構造の進化と電解質との表面相互作用の間の本質的な相関関係を明らかにした。」とLinは言った。「これらは層状陽極を備えたナトリウム・イオン電池についてこれまでに報告された中で最高の結果であり、これがリチウム・イオン電池に匹敵する可能性のある実行可能な技術であることを示している。」

 研究者達は電解質と陽極との間の重要な相互作用をより良く理解するために現在、研究しており、したがって、改善された蓄電池設計のために異なった材料で彼等は研究できる。彼等はまた別の比較的高く希少な金属であるコバルトを使わない蓄電池を設計したいとも思っている。

 「この研究は実用的なナトリウム・イオン電池への道を開き、陽極と電解質の相互作用について得て基本的な洞察は、ナトリウム・イオン電池や他の種類の電池の化学的性質において、将来のコバルトと使わない、または少ないコバルトの陽極材料をどのように開発するかを明らかにしている。」とSongは言った。「リチウムとコバルトの両方に代わる実行可能な代替品を発見できれば、ナトリウム・イオン電池はリチウム・イオン電池と真に競争力を持つ可能性がある。そして、ゲームチェンジャーになるだろう。」と付け加えた。