ナトリウム･イオン電池はリチウム・イオン電池の有効な代替品
Sodium-ion Batteries Are a Valid Alternative to Lithium-ion Batteries
Science Daily
Source: University of Warwick 2020.09.22
リチウム・イオン電池は幅広い様々な用途のために選択する電気化学的エネルギー貯蔵システムであるが、他のタイプの新しい電池技術は現在、支配的な地位を共有する道を進んでいる。
それらの中でナトリウム･イオン電池は低コストで環境的に優しいエネルギー貯蔵法となる次世代を象徴する大きな可能性を持っている。様々なアプリケーションと市場の多様化に必要な多様な主要業績評価指標はナトリウム･イオン技術を市場に近付ける原動力である。ウォーリック大学のWMGを含む科学者チームは材料から電池開発までのナトリウム･イオン技術の現在の状態を調査するために彼等の知識と専門知識を結び付けて、ナトリウム･イオン電池とリチウム・イオン電池についての主要な性能指標の現実的な比較を行った。
リチウム・イオン電池は低炭素経済への移行において主要な役割を果たす。しかし、市場が急速に広がるにつれて、リチウム・イオン電池の大量生産に関係した環境的社会的挑戦は、持続性があり必ず供給できる資源に基づいた代替エネルギー貯蔵解決のための研究に向けて大きな注意を向ける引き金である。このシナリオで、ナトリウム･イオン電池は代替できる低コストで、持続可能で、より環境的に優しいエネルギー貯蔵技術である。
論文による将来のナトリウムをベースにした電池についての今日の挑戦：材料から測定基準まで、2020年9月18日のJournal of Power Sourcesに発表された。ウォーリック大学のWMGが率いるナトリウム･イオン技術の専門科学者達の大規模なチームが、ナトリウム･イオン電池がエネルギー貯蔵市場に参入する見通しを分析している。論文はまた以下の研究者達も含んでいる：ヘルムホルツ研究所Ulm(ドイツ)、フランス大学(フランス)、フンボルト大学ベルリン(ドイツ)、エネルギー技術研究所(ノルウェー)、ピカルディ・ジュール・ヴェルヌ大学(フランス)、ボルドー大学(フランス)、CIC energiGUNE(スペイン)
ナトリウムをベースにした電池は魅力的な特性の組み合わせを提供する。それらは低コストで、持続可能な前駆体を使い、安全な原材料の供給がある。さらに、既存のリチウム・イオン電池製造施設の恩恵を受けられるちょっとした技術としてナトリウム･イオン電池は考えられる。
リチウムをベースにしたシステムのように、ナトリウムをベースにした電池はナトリウム･イオン、Na全固体電池、NaO2そしてNa/Sのように様々な形態となる。最後の形態は破壊的な未来の技術と思われるが、ナトリウム･イオン技術は特別な用途ではリチウム・イオン電池にほぼ挑戦する準備が出来ている魅力的な技術である。性能測定基準はWh当たりの競争コストを確実にし、市場で場所を見つけるSIB技術のために最も重要である。この研究で、最も有望な電極材料と電解質システムがレビューされ、学術文献からの性能測定基準が完全ナトリウム･イオン電池の性能指標を推定するために使われてきた。
進行中の開発で、ナトリウム･イオン電池用に利用できる現在最高の材料は現世代の商用リチウム・イオン電池のエネルギー密度に近づけるべきであることを著者ら示している。開発されているナトリウム･イオン電池のプロトタイプのために最も重要な応用分野の１つは間違いなく固定エネルギー貯蔵システムであり、そのコストとサイクル寿命は２つの基本的なパラメーターを表している。「この分野で、ナトリウム･イオン電池は、エネルギー生産とエネルギー供給を確保することによる利用との間のギャップを埋めるために最も有望なシステムを代表する将来の市場を支配する可能性を持っている。しかし、電気自動車分野における高出力用途はナトリウム･イオン電池の潜在的なニッチ分野の用途である。」とWMGの准教授であるイバナ・ハサ博士は言っている。
さらなる技術改善が特にエネルギー密度の性能向上のために必要である。非常に有望な結果がリチウム・イオン技術と比較したとき、非常に短期間でナトリウム･イオン技術で達成される。リチウム・イオン技術でここ30年起こったように、技術改善は電池成分の製造／組立ての最適化によって達成されるであろう。
ウォーリック大学WMGからのイバナ・ハサ博士は次のようにコメントしている：「応用研究の観点から、将来の研究努力は基礎研究、材料発見そしてこれらのシステムの化学を支配する熱力学的、速度論的プロセスを理解することに振り向けるべきである。さらに、大規模ナトリウム･イオン電池の研究は、性能結果を公平に比較できる科学界で一般的な報告方法の採用と同様に技術の進歩をベンチマークとするための現実的なデータを得るために最も重要である。」
